工場立地は基本的には物流コスト、土地価格、人件費などが安い場所を選定しますが、それだけではなく敷地選定の条件にはいろいろあります。
工場レイアウト(機械・設備配置)には基本的に3つの種類があります。1.固定式配置、2.機能別配置、3.製品別配置です。
機械・設備よりも製品の方が大きい場合に用いる方法です。たとえば、船や飛行機などの大きな製品を作る際の配置で、製品を固定しておいて機械・設備および人が移動して作業を行う方法です。この方法のメリットは機械・設備配置を考慮しないで工程設計できるので、加工組立の順序・方法の変化に対応しやすいことです。一方、デメリットは機械・設備や工具等の移動に時間がかかる。製品1個、または小ロット生産に限られることです。
英語ではジョブショップ(職場)と言います。加工・組立機能が同一又は類似した機械・設備を集めて配置する方法で、機種別配置とも機種型レイアウトとも言います。たとえば、旋盤だけを何台も一箇所に集めたり、ボール盤だけを何台も一箇所に集めたりする方法で、それぞれを旋盤加工職場とかボール盤加工職場などと呼ぶのでジョブショップと言うのです。
機能別配置の特徴を一口で言えば、非常に融通性が高く多品種少量生産に適しているが、作業時間がかかり効率が悪い。メリットは、部品形状や加工手順・方法が異なる作業もこなせる、品種、数量、加工手順・方法、作業時間などの変更に対応しやすい、そのため品種・数量変更、設計変更に対応できる、故障しても他の機械・設備で代用できる、専門的な管理・監督がしやすい、などがあります。
デメリットは、工程間の仕掛が多くなり、運搬工程が多く運搬距離・時間が長くなる、そのため生産期間が長くなる、現品管理・進捗管理が複雑になる、などがあります。
これにはさらに、(1)フローショップ、(2)GTショップ、(3)セル型配置の三つがあります。
1種類の製品を加工手順に沿って配置する方法で、製品別に専用ラインを作る場合に採用します。したがって、少品種多量生産あるいは見込み生産に適しています。メリットは加工手順に沿って配置しているので仕掛および運搬工程が少なく生産期間が短くなります。作業の習熟が早い、工程が単純なので工程管理・進捗管理しやすいなどがあります。
デメリットは生産ラインごとに同じ機械設備を用いるため機械設備が重複し、台数が多くなる、生産量の変動に対応しにくい、故障、不良発生などに対応しにくい、作業が単純・単調のため作業意欲が低下するなどがあります。
機能別配置のメリットを生かし、デメリットを克服する方法で、類似の作業・加工方法や類似の形状の部品を同じグループとして作業・加工手順に沿って配置する方法です。多品種少量生産に適しています。
作業手順・工程に沿って一人の作業者の周りに機械・設備を配置する方法なのでセル(小区分、小部屋)型と言います。いくつかの工程を一人で加工するので、多能工でないとできません。仕掛り(在庫)や運搬が少なく、生産期間が短く、製品種類、生産数量、加工方法などの変更に対応しやすいので非常にフレキシブルな方法です。
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