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第4章 商品化・製品化(設計・試作)

4-1 前提条件の確認・設定

商品化・製品化を行う前提条件には、顧客要求事項、制約条件、使用条件、機能条件などがあります。以前にも書きましたが、これらについて改めて書いておきます。顧客要求事項は文字通り顧客が要求していることで顧客ニーズ(何かに対する欠乏状態)や欲求です。制約条件は法律や会社方針、開発方針などです。使用条件は顧客が商品を使用する環境、使用方法、安全性、耐久性などに関することです。機能条件は設計・製作上の材料や技術に関することです。

いずれも、商品化・製品化を行う際に守らなければならない事項や規制される事項です。したがって、これらの前提条件の基で商品開発を行わなければならないわけですが、考えようによってはこれらは規制事項であると同時に克服事項でもあり、また促進事項でもあります。つまり、前提条件というのは絶対的なものではなく、「現状では守ることになっています」という程度のもので、克服することにより画期的な商品が開発できたり、技術開発の促進要因になったりするものです。

顧客要求事項であっても、顧客ニーズや欲求は状況が変われば変わるのです。例えば、超薄型の大型テレビが欲しいという欲求は、テレビという商品があるからそういう欲求があるのです。テレビに代わる商品が普及すれば当然欲求は変わります。例えば、ホームシアターが普及して、家庭の居間が小さな映画館に切り換わるようになれば、超薄型の大型テレビはこの世からなくなります。あるいは、一人ひとりが各部屋でパソコンでテレビ映像を見るようになればテレビという商品に対する欲求はなくなります。こういうことを踏まえて商品開発する必要があるのです。つまり、顧客ニーズや欲求はあくまで現状を踏まえたうえでのニーズや欲求なのです。

制約条件を考えてみると、これは特許権や製造物責任(PL)法等の法律、会社方針、開発方針などですが、これらも変わる可能性があります。これら自体が変わるという場合もありますが、制約条件にならなくなる場合もあります。例えば、他社の特許権は、こちらがもっと優れた技術を開発すれば制約条件とはならず、逆にこちらが優位に立つことになります。製造物責任に関しても、考えてみれば本来不要な法律であって、顧客に安心して使ってもらえる、より良い商品が常にできるようになれば不要なのです。

また、使用条件は顧客が商品を使用する際のTPOを検討することにより、使いがっての良い商品開発ができることにもなりますので、条件と言うよりも開発のヒントとなるものです。

機能条件に関しても、材料の変更や技術開発により克服することが可能です。いずれにしても、条件といっても絶対的に守らなければならないわけではありません。確認し設定しておく必要があるものです。これらの前提条件の基で商品化を進めていきます。

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