次ページ  目次

経営相談どっと混む

第4章 業務改革のための経営の骨格(仕組み)の再構築

4-1 経営の骨格の再構築の重要性について

ここから第4章に入りますので、まず最初に、経営の骨格(仕組み)の再構築の重要性について説明します。経営の骨格の再構築が重要な理由は、今後、間違った意思決定によってムダな業務を指示命令しないようにするためと、中期経営計画を確実に実施できるようにするためです。第4章は、「第2章 現状業務の効率化」と平行して実施するか、または現状業務の効率化に先行して実施します。

なぜなら、経営の骨格の再構築が終わらないうちに、現状業務の効率化を行うと、効率化が進行するにしたがい、時間や人が余ってきますので、効率化活動の途中でやるべき仕事がなくなってしまったり、時間が余ったために新たにムダな仕事を作り出してしまうことがあるからです。

経営の骨格の再構築により、中期経営計画がきちんとできていれば、新規業務、強化業務が既に設定されているわけです。したがって、効率化によって余った人や時間を順次、業務再編成を行いつつ人員の再配置(人事異動)により新規業務や強化業務にシフトしていくことができるわけです。ただし、当初から中期経営計画がしっかりとできていて、新規業務や強化業務が決まっているのであれば、経営の骨格の再構築は必要ありません。その場合には中期経営計画の確認から行えばよいわけです。

さて、業務改革はあくまで業務が対象です。よって、通常は経営戦略や経営組織は所与のものとみなします。ちなみに、組織を対象に改革するのであればそれは業務改革ではなく組織改革となります。また、業務改革の結果、組織が変更されることはよくあることで、それは結果としてそうなったに過ぎません。

本来、業務改革は業務発生の元になる中期経営計画の確認から始めます。しかし、実際には、中期経営計画の見直しや立案から始めざるを得ません。なぜなら、中期経営計画が何の根拠もなく立案されていて、形だけ(絵に描いたもち)のために計画通り実施できないという企業が多いからです。計画通り実施できない理由としては、人材がいないとか、資金がないとかがあります。つまり、経営資源が不足していることがあります。

しかし、それだけではありません。その多くは経営の骨格をきちんと構築していないからなのです。つまり、経営理念や経営戦略、ドメイン(事業領域)さえ設定していない企業が多いのです。あるいは、これらを設定していても、従業員に徹底していないとか、曖昧な表現で設定してあるためにその意味内容が伝わっていないといったこともよくあります。

また、経営戦略やドメイン(事業領域)は環境の変化により変えなければならないのですが、ほとんどの企業では環境の変化に迅速に対応できていません。なぜなら、経営環境の分析を行っていない企業が多いからです。経営環境は常に変化しているわけですから、経営環境の分析を定期的に行い、経営環境に適した戦略、事業、組織、経営計画などを基に経営を行う必要があるのです。

そんなわけで、ほとんどの企業では経営の骨格を再構築することから始めなければならないわけです。経営の骨格を再構築する基本ステップは通常、

経営理念の見直し・設定経営環境の分析経営戦略の見直し・設定ドメイン(事業領域)の見直し・設定組織構造の再編成人事制度の見直し・設定中期経営計画の見直し・設定業務計画の立案(業務設計)、となります。

かつては、経営理念の見直し・設定ドメイン(事業領域)の見直し・設定経営環境の分析・・・の順でしたし、ドメイン(事業領域)を変更することはあまりありませんでしたが、経営環境が目まぐるしく変化するようになったために事業領域の見直しも頻繁に行うようになったのです。

そこでまず、企業の大黒柱とも言うべき経営理念を見直し・設定し、次に企業を取り巻く経営環境を分析し、その結果に基づいて、まず経営戦略を立案(見直し・設定)し、事業領域を見直し設定します。なぜなら、事業領域は経営環境の変化により変える必要があるからです。要するに、事業の選択と集中が必要なのです。あるいは新規事業の開発が必要なのです。経営環境が変化しているのに事業領域を変えない企業は次第に衰退し、いずれは倒産してしまいます。事業領域が決まれば、次に事業領域に合った組織を構築(見直し・設定)します。

ところで、組織の構築が先か経営戦略が先か、という議論がありますが、日本では以前は、組織の構築が先でした。 なぜなら、日本では戦略決定と実行が欧米のようにトップダウン方式ではなかったからです。つまり、組織の上層部と下層部を連結する中間管理層が中心になって経営戦略(案)を立案し、それを上層部が承認決定してから実行するというステップを取っていたからです。

これは、いわゆる日本的経営の特徴である「集団による意思決定と実行」によるものです。よって、組織構築を行ってから経営戦略を立案するのが通例でした。しかし、昨今のように競争が激化し、経営環境が頻繁に変化するようになると、環境の変化に応じて頻繁に経営戦略や事業を変更する必要が生じてきました。そこで、トップ経営層により、事業の選択と集中に係る経営戦略を決定し、これに基づき、事業領域を決定し、組織を構築(再編成)するようになって来ました。

そこで、環境の変化に機敏に対応できるような経営構造になっていなければならないわけです。また、二度とムダな業務を指示命令しないようにしなければなりません。よって、経営の骨格(仕組み)の再構築を行う必要があるのです。そこで、弊社では経営の骨格を簡単に再構築(見直し・設定)できるようにしました。

Ⓒ 経営相談どっと混む

次ページ  目次