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3-8 自然のエネルギーを利用して削減

もともとエネルギーは自然にあるものです。水は天から降ってくるし、地下にもあります。電気も熱も太陽エネルギーを利用して作り出すことができます。これらのエネルギーは誰でも無料で利用することができますが、このためには設備が必要です。しかし、これらを上手に利用すれば水道光熱費を削減することができます。

簡単にできることから説明しますと、まず、雨水を利用することです。屋根に降った雨が樋を伝わって流れ落ちる水をそのままタンクに貯めておけばいいだけです。設備としてはタンクだけ用意すればいいわけですから、こんなに安上がりなものはありません。雨水をそのまま下水に流してしまうのはもったいないです。タンクに蛇口をつけておけば必要な分だけいつでも利用できます。雨水はそのままでは飲めませんが、風呂やトイレ、洗濯や掃除用に、あるいは工業用水として使うことができます。実際に雨水を利用している企業はたくさんあります。

また、井戸を掘れば地下水が利用できます。筆者が子どものころはどこの家にも井戸がありました。当時は日本のほとんどの地域には水道などなかったですから、地下水を利用したのです。井戸を掘れば無料で水が得られるのにわざわざ水を買うなんて都会の人は馬鹿だと筆者は思っていました。筆者が高校生のころ、たまに東京に用事があって行くと、必ずと言っていいほど腹を壊したものです。当時、東京の水道水はカルキ臭くてまずくて飲めませんでしたが、のどが渇くので飲んでしまいます。もちろん、当時、自動販売機などありませんでした。

井戸水の方が冷たくて断然おいしいので、今でも井戸を使っている家はたくさんあります。最近では水道が全国に普及し、そのうえ、東京でも大阪でも水道水が美味しくなりました。しかし、有料です。井戸を掘り、地下水をポンプでくみ上げて配管し蛇口をつければ水道水と同様に使用できるのです。初期投資は必要ですが、ランニングコストはほとんどかかりません。わざわざ水道水を購入する必要はないのです。井戸を掘るのは地域や場所によって費用が異なりますから、損得計算をしてみてください。通常、多く使う企業は井戸を掘った方が得なのです。なぜなら、井戸というのは一度掘ればかなり長い期間無料で使用できるからです。

次に太陽エネルギーの利用ですが、昔、政府が推進した施策にサンシャイン計画というのがありました。いわゆる石油ショックのころのことですが、当時、産油国の政情が不安定になり石油が輸入できなくなったために、太陽エネルギーをできるだけ利用しようと政府が推進したのです。太陽エネルギーを利用する機器に補助金を出すという施策です。そこで、太陽熱温水器というものが流行しました。業務用だけでなく、家庭用もあって、多くの家庭で屋根に太陽熱温水器を取り付けたのです。アルミで囲った箱の上面に太陽熱を集熱するパネルを取り付けたもので、この箱の中に水を入れておき太陽熱で暖めるというものです。

これを風呂に使えばほとんど沸かす必要がなかったのですから、かなり省エネになったのです。それで当時、家庭用のものはかなり普及しました。業務用としては旅館やホテルの風呂だけでなく、温水プールや酒や味噌の醸造などに使われました。当時、筆者はある一部上場企業で業務用の太陽熱温水器の開発のコンサルティングを行っていたので、太陽熱温水器に関する情報をかなり収集しました。

実は当時、筆者の自宅でも父が自作した簡単な太陽熱温水器を使っていました。集熱パネルはもちろんありません。単に、農業用の丈夫なビニールを袋状に貼り付けて水を入れるようにし、それを木枠で囲み、上部にガラスをはめ込んだものです。これを屋根に設置し、朝、水を蛇口からホースで送って、そのまま一日置いておくと夕方には暖められたお湯が出るのです。これを風呂用に使っていました。夏は水でうめないと入れないくらい熱くなるのですが、冬には少し温まる程度なので沸かす必要がありました。また、曇りの日や雨の日にも沸かす必要がありました。3ヶ月ぐらい使用すると、水ゴケができてお湯が臭くなるので、ガラスやビニールを定期的にきれいに洗う必要がありましたが、こんな簡単なものでも、かなり省エネになったのです。

石油が輸入されるようになると補助金が打ち切られたために、メーカーも太陽熱温水器の製造販売を中止してしまいました。また、水ゴケができるのも問題で、これらが原因で急速に太陽熱温水器は使われなくなってしまったのです。当時はほとんどの家庭や企業が井戸水を使っていたために、水ゴケができやすかったのです。水道水を使ったり水ゴケができないような工夫をしたりすれば、太陽熱温水器は省エネに役立つと思います。ところで、最近では政府は太陽光発電を推進していますが、これはコストがかなりかかるので、採算に合うかどうかが問題になっています。しかし、太陽熱温水器は比較的安価に太陽熱を利用できるのです。

太陽光発電のように太陽光を電気に変換してから使うのと、太陽熱をそのまま使うのとではもちろん、太陽熱をそのまま使う方がはるかに効率が良いのです。ちなみに、夏の海水浴場では砂が熱くて裸足では歩けません。この熱を何とか利用できるようにしましょう。

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