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3-7 専門業者やコンサルタントを活用して削減

省エネの専門業者はいろいろありますが、その仕事の内容は主にエネルギーを多く使用する装置工業において、水と油と熱と電気に関して流体力学や熱力学を活用して省エネ対策をするものです。装置工業ではエネルギーの効率的活用が企業の業績を大きく左右しますから省エネは重要です。加工組立業や流通業では装置工業の知恵を学ぶと大いに参考になると思います。

例えば、水や油が管の中を勢いよく流れる場合にはキャビテーションという現象が発生します。流れの中に大量の泡が発生して流れを妨げたり、管を振動させたり、時には管を破壊したりするのです。これを防止するために流れの方向をできるだけ変えないようにするとか、変える場合にはできるだけ曲線にしてスムーズに流れるようにするとかいろいろな手段を講じます。しかし、こうすると配管上コスト高となりますので、どちらがどれだけ得かという計算をして、対策するわけです。

また、電気と熱については省エネ専門の業者やコンサルタントがいます。あらゆるエネルギーの中で電気と熱が最も非効率だからです。水や油は目で見て漏れているのが確認できますし、ガスは匂いで分かります。しかし、電気と熱はムダに使われていてもすぐには分かりません。特に、電気を光や熱に変換して使用する場合、ムダな熱が発生しやすいのです。なぜなら、電気や熱は固体、液体、気体などあらゆる媒体を経由してどこへでも逃げるからです。

専門業者の方法は、例えば、設備に電気や熱のムダな消費が分かるような測定器を取り付けて監視します。そして、ムダの原因を特定して省エネ対策します。つまり、設備そのものを改善しますので、設備の交換あるいは修繕することになります。この測定器を販売すると共にムダの原因を探して対策するのが専門業者の仕事です。ちなみに、専門業者は請負契約ですから、成果報酬となります。専門業者の収入は測定器の販売と成果報酬だけでなく、設備の交換や修繕による収入もあります。設備は年々改良されるので、企業にとっては定期的に費用が発生します。本来は設備そのものが省エネになるように設計されていなければなりません。

一方、省エネ専門のコンサルティングの例を簡単に紹介しますと、まず、理論値を計算します。インプットする水、油、ガス、電気などのエネルギーとアウトプットする製品の持つエネルギーを理論的に計算し、その差を出します。この差は全てムダですから、ムダがどこからどのくらい発生しているかを探索し測定して、その原因を追究して対策します。コンサルティングの場合には企業と一緒に協力して活動を行いますので、請負契約ではなく委託契約となります。よって、成果報酬ではなく、技術提供に対する報酬です。コンサルタントが保有する省エネ技術を企業が習得できることが企業にとってのメリットです。つまり、一旦、習得すればその技術は半永久的に無料で使用できます。

この省エネコンサルティングの理論的根拠はエネルギー不変の法則です。エネルギーはどのようなエネルギーに変化しても不変ですから、インプットとアウトプットとを調べれば途中でどのくらいムダに使われているかがわかるわけです。実際に測定してみると、ほとんどの場合60%以上がムダに使われています。いかにエネルギー効率が悪いかがわかります。特に熱効率が悪いです。80%以上がムダになっている場合もあります。

副産物ができる場合にはそれを製品化する方法を検討します。また、ムダな熱が多く発生する場合には余熱として利用します。例えば、風呂や暖房に使います。しかし、発生する熱が少ない場合にはむしろ発生を抑える工夫をしたり、放熱した方が効率的です。例えば、車のラジエータです。また、パソコンの中にも放熱するための小さな扇風機がついています。

専門業者を活用する方法、コンサルタントを活用する方法、自助努力で経費削減する方法とありますが、問題はどれが最も得かです。それぞれ長所短所があります。専門業者の場合には請負ですから成果に応じて一定の契約金を支払えばよいわけです。通常、設備を改善するのも買い替えるのも業者を通じて行います。しかし、その技術・ノウハウは業者の企業秘密ですから全く分かりません。よって、設備を丸ごと新しくしたり、技術が新しくなったりと状況が変化した場合には、また同じ業者に依頼する必要があります。

一方、コンサルタントの場合には企業の従業員と一緒になって改善を行うのでコンサルタントの技術が習得できます。しかも、費用は業者に比べれははるかに安いです。また、コンサルティングが終了してもその技術をいつまでも活用できます。一方、自助努力で行った場合には、社内の技術だけですので、成果には限界があります。しかし、まずは自助努力しなければなりません。従業員のコストマインドを身に付けるためです。社内技術だけでは不十分な場合に専門業者やコンサルタントを活用すれば良いのです。

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