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3-5 過剰消費している場合の削減

気づかずに過剰消費になっている場合です。例えば、会社の文房具を個人使用にしている場合、一人ひとりの机の上や引き出しの中に使用しない文房具がいつの間にか溜まっていることがよくあります。ボールペンやシャープペンシルなどだけでなく、ホチキスや定規なども会社のものでありながら、いつの間にか個人所有のようになっている場合があります。こうなると、人が使った文房具は使いたくないとか、人の文房具は借りたくないという意識が働くため、文房具がたりなくなって、同じものをいくつも購入することになります。

もちろん、私物は別ですが、文房具に限らず工具なども会社のものは共有ですから、みんながいつでも使用できるように一箇所に置いて整理・整頓しておく必要があります。もちろん、使用後は決められた場所に返しておきます。

蛍光灯は蛍光管だけでなく傘が汚れていると同じ電力でも明るさが全く違います。一年に何度かは掃除をする必要があります。蛍光灯などは通常、一年に一回、大掃除の時だけしか掃除しません。しかも、蛍光灯の傘の部分までは掃除しません。そこで、掃除すると非常に明るくなりますので是非とも行ってください。また、蛍光灯が切れたら、できるだけLEDに変えると消費電力が少なくて済むし、長持ちします。

過剰消費の原因の一つとして多くの企業では過負荷によるムダな消費が多いです。電気設備や機械設備が老朽化したり、新しい設備でも定期点検を怠っていると、スイッチ部分に埃やごみなどが溜まり過電流が流れムダな電気を使うだけでなく、いわゆるショートして火災を起こすことがあります。機械設備では油切れや磨耗によって過剰に負荷がかかり、消費量が大きくなるのです。

また、長い間使用しているとスイッチや継電器部分にカーボンが付着し抵抗が大きくなり過剰に電気を使います。過剰消費となるだけでなく故障も多くなり、設備の寿命も短くなってしまいます。また、災害や不良発生の原因ともなります。よって、定期点検は必ず行うようにしてください。また、定期点検すると電気や燃料の消費量を削減できるだけでなく、修繕費も削減することができます。なお、多くの電気設備や機械設備を使用している会社では本格的なTPM活動(全員参加の生産設備保全/総合生産保全活動)を行いましょう。

分かりやすい例として自動車の燃費を考えて見ましょう。カタログに書かれている燃費と実際に使用した場合の燃費では異なると思います。これは運転技術の違い、点検整備状況の違いなどが原因です。実際に、タクシーなどはほぼカタログどおりの燃費になっているようです。タクシーは10万キロ走っても新品同様です。

このように、電気機械設備というものは使い方しだいで過剰消費がなくなります。いろいろな設備のカタログと実際の消費量とを比較してみると過剰かどうかが分かります。最近では設備ごとにエネルギーの消費量などがカタログに書かれていますが、実際にどのくらい消費しているかを調査すると良く分かります。他の設備をすべて使わないでその設備だけを使った場合、どのくらいエネルギーを消費しているかを調べます。コピー機などの事務機器でも家電でも同じようにできます。

カタログに描かれている電気や燃料などの消費量はその製品(設備)が新品の時のものですので、使用期間が長くなれば次第に使用効率が悪くなります。それで、自動車の例でお分かりのように、まず、使用方法に気をつけることと点検整備を怠らないようにすることが過剰な消費を削減するポイントです。使用方法や点検整備の方法についてはカタログなどに書かれていますので、これを守ることです。

過剰消費を防止するために知っておくと良いことがあります。設備の設計に対する考え方です。これを知っておくとエネルギーの使用効率を高めると共に、設備を長く使用するにはどうすれば良いかがわかります。永久に使用できる設備などはありませんので、必ずいつか故障して使用不能になります。また、故障箇所は決まっています。

それは、強度が不十分な箇所と可動部分とスイッチ部分です。強度が不十分であればどの設備についても共通に故障しやすく、また、機械設備については可動部分が、電気設備についてスイッチ部分が最も故障しやすいのです。この部分をできるだけ故障しないように設計するか、それとも逆に、消耗部品として交換するように設計するかです。さらに言えば、あえて強度を弱くして数年で故障するように設計するかです。なぜなら、新品に交換してもらうためであり、新製品を買ってもらうためです。これを計画的陳腐化と言います。

自動車の例で言えば、タイヤが最も可動する部分で磨耗しますので、磨耗したらタイヤは交換します。プラグも磨いたり交換したりします。プラグはスイッチ部分でカーボンがついたり、磨耗したりします。エンジンのピストンも可動部分ですが、これは自動車の心臓部で簡単には交換できないので、磨耗強度を高くします。しかし、タクシーなどはピストンリングを定期的に交換しています。可動部分は油を切らさないように、また、油を常に新鮮に保つように頻繁に交換して性能を維持します。エンジンオイルがその典型例です。また、オイル交換しにくいシャフトのベアリング部分などは粘性の高いグリースを使います。

電気設備は本来スイッチ部分が最も故障しやすいのですが、電子スイッチになっているものはテレビや冷蔵庫などのように、ほとんど故障しません。手動のスイッチが壊れやすいのです。コピー機も洗濯機もスイッチ部分と可動部分とがよく故障します。機械設備でも電気製品でも故障しやすい箇所は同じです。それで、これらの故障しやすい箇所を、故障しないように使い方に気をつけたり、点検整備して、早めにオイル交換や消耗部品を交換すると、電気や燃料などの消費量が削減できるわけです。

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