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3-2 契約の見直しによる削減(1)

1.電気・ガス・水道・保険料などの場合

経費削減のポイントの一つ目は契約の見直しです。経費のほとんどは企業外部に支払う費用ですから、企業外部の会社との契約によって支払い条件が決められます。したがって、この契約を見直すことによって、経費削減が可能になるわけです。支払い料金は通常、固定費と変動費とに分かれています。固定費部分は契約によって決められます。変動費部分は使用量によって決められます。したがって、まずはこの固定費部分を見直しするわけです。

分かりやすい例で言えば、電気料金のうち基本料金は使用量に関係なく支払う固定費ですから、契約が現在の使用実態(消費電力量)に適しているかどうかを見直すのです。つまり、消費電力がそれほど多くないのに、多くの基本料金を払っていないかどうかを見直すわけです。

例えば、家庭の場合(100V)、契約は使用電流量(アンペア数)で決められていますので、これを見直しするわけです。契約電流量より使用電流量が多くなるとブレーカーが落ちて電気が切れるようになっていますが、ブレーカーが落ちないように多めに契約している場合が多いのです。

所有している家電製品の消費電力がそれぞれ何ワットかを調べ、一度に使う製品の消費電力を加算すれば、最大の消費電力が分かります。ちなみに、電力はワット、電圧はボルト、電流はアンペアで表し、ワット(W)=ボルト(V)×アンペア(A)ですので、最大の消費電力(ワット数)を100で割ればアンペア数が分かります。

商店や工場などの場合(低圧200V、又は高圧6,000V)には、年間の最大需要電力量が500KW以下の場合は実量制契約、500KW以上の場合は大口電力契約となり、これによって基本料金の計算方法が異なります。

例えば、契約時に大口電力契約(500KW以上)としていたが、実態は500KW以下だった場合には、契約を実量制契約に変更することによって削減できる可能性があります。さらにまた、実量制契約の場合には、年間の最大消費電力量(30分間ごとに計量する)によって当年および翌年の基本料金が決まります。

例えば、夏のある日の30分間に一年で最も多く電力を使い、それが450KWだったとすると、450KWを基に当年および翌年の年間の基本料金が決まってしまいます。よって、夏のある日の30分間だけ下げる努力をすれば、年間の最大消費電力量を下げることになるので、基本料金を削減することができます。

参考までに、東京電力のホームページのQ&Aには次のように書かれています。

Q:
1年間で最も大きい最大需要電力を契約電力とするのはなぜ?
A:
電気をお送りするための供給設備は、お客さまが年間で最も多くご使用いただく量に合わせ準備する必要があります。そのため、電気のご契約は1年間の最大需要電力を基準として決定しております。この考え方は、実量値による契約電力決定方法以外にも、一定値以上の電流が流れるとスイッチが切れるご家庭用のアンペアブレーカー契約や、契約電力500KW以上のお客さまが年間の最大需要電力をもとに契約電力を決定する方法など、他の契約方法に共通しているものです。

また、使用実態とは異なっていても、契約によっては安くなる場合があります。たとえば、商店だからといって、商業施設向けの契約(低圧契約)にしていた企業が、工場向けの契約(高圧契約)に切り替えたら数十億円も削減できたという事例もあるようです。この他、長期契約か短期契約か、とか、夜間に多く使用するか、昼間に多く使用するか、とか、夏に多く使用するか冬に多く使用するか、とか、平日に多く使用するか休日に多く使用するか、などによっても契約内容が異なります。

電力の契約にはこのようにいろいろな種類があるのです。なぜなら、電力会社は電力需要の平準化をしたいからです。電力会社にとって最も困るのは、電力需要が季節、曜日、時間などのある一時期に集中してしまうことです。したがって、使用量が少なくても、大量使用契約に変更したり、需要が一時期に集中している場合に、需要が少ない時期に使用するような契約に変更したりすると安くなることがあるのです。

契約内容が良く分からないとか、契約事項を理解するのが面倒だとかでそのままになっている場合が多いようです。また、電気を作るための燃料費の変動やサービス内容の変更などによっても変わりますので、契約を定期的に見直しする必要があります。契約の見直しによる削減は電気料金だけでなく、ガス料金、水道料金、保険料など契約によって決まる全ての経費について当てはまりますので、いろいろな経費について面倒がらずに見直ししてください。

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