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1-2.業務効率化は人員の削減につながるから難しい

前回、業務効率化の目的は人件費の削減であり、コスト削減であると書きました。よって、業務効率化は人員の削減につながります。従業員はこのことを良く知っておりますから、自ら積極的に業務効率化活動を行うことは決してありません。一生懸命にやればやるほど、墓穴を掘ることになるわけですから。

したがって、闇雲に業務効率化活動を実施すると必ず失敗します。失敗する原因の1つは、業務効率化にITを活用し、◯◯システムを導入したり、ERPパッケージを導入する場合です。通常、その効果が分からず、うやむやに終わってしまうのです。なぜなら、本来、業務効率化は人件費の削減が目的であり、人員の削減であるにもかかわらず、人員の削減を行わずに業務効率化活動を行うからです。

そこで、有能な経営者は失敗することが分かっている活動はいたしません。人員削減が目的の場合には、業務効率化活動は必要ないのです。なぜなら、それは通常、景気が悪くて仕事がない時期であり、業務を効率化する必要はなく、単に人を減らせば良いだけだからです。つまり、業務量に比較して人が余っているのですから、ムダな業務の削減(業務効率化)ではなく人員の削減を行えば良いのです。

しかし、そう簡単に人員の削減を行うことはできません。そこで、有能な経営者たちは考えたのです。何とかして上手に人減らしを行う方法はないかと。業務効率化(ムダな業務の削減)活動を行わないで、人減らしを行い、しかもこれをカムフラージュする方法はないかと。

そのため、これまで数十年の間、いろいろな言葉で人減らし活動が行われてきました。すなわち、「合理化」、「スリム化」、「減量経営」、「時短」、「リストラ」などです。なぜなら、これらの言葉は本来の目的で使われたことはほとんどなく、主に景気の悪い時期に人減らしのために使われた言葉だからです。しかも、新聞やテレビでも人減らしの意味で使われるようになってしまい、人減らしの代名詞として世の中に認知され、定着してしまったわけです。

このため、経営環境の変化により、本来、「事業の選択と集中戦略」などのリストラ(事業の再構築)を行わなければならないにもかかわらず、リストラ反対運動が起こってしまったのです。そして、会社はリストラを行うことができず、業績が悪化してしまったのです。ちなみに、「業務効率化」という言葉も実際にムダな業務の削減を行わないで、人減らしを行う場合に使われたこともありました。

しかしながら、実際に人減らしを行うと、残された人の労働意欲までなくしてしまうものです。次は自分かと不安な日々を過ごすことになるからです。このため、人減らしを行った直後は一時的に業績が回復するものの、その後、急速に推進力を失い、いっそう業績を悪化させてしまう場合もあるので、人減らしは非常に危険なのです。

とは言うものの、人減らしをしないと会社が倒産してしまうという危機的状況であれば致し方ないことだと思います。苦渋の選択ということになると思います。また、人減らしを行った後は、労働意欲を高める努力をしなければいけません。それこそが業務改革活動なのです。すなわち、今後の企業の成長・発展のために、新規業務や新規事業に取り組むための業務の再構築、及び人員再配置を行う必要があるのです。

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