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1-10 景気の悪い時には業務改革を実施すべきである

前回、景気が良く仕事が山ほどあり、非常に忙しい時なら業務効率化活動は成功する、ということを書きました。しかし、景気が悪く、時間や人が余っている時にはどうすれば良いでしょうか。それは、簡単です。 既に書いたように人員削減を行うか、それとも、業務改革活動を行えば良いのです。

つまり、現状業務の効率化によってムダな業務(時間)や人を削減する一方で、強化業務・新規業務を設計し、これらに削減した時間や人、あるいは元々余っていた時間や人をシフト(再配置)して、人と組織の活性化を図れば良いのです。

現在は景気が悪くても、将来に向けて会社が成長発展するために取り組まなければならない課題は山ほどあるはずです。例えば、メーカーであれば、品質向上、コスト削減、納期短縮、商品開発、市場(顧客)開拓、新事業開発などです。つまり、前向きの課題に取り組むのです。前向きの課題に取り組むためには人や時間が必要ですから、現在余っている時間や人を活用し、また現状業務の効率化によって生み出すのです。

つまり、強化業務・新規業務、あるいは新規事業などに取り組むことを目的に業務改革活動を行うのです。景気の悪い時期にこそ業務改革活動を行って、来るべき成長・発展に備えるのです。

第2章以下で、順次、筆者が独自開発した業務効率化・業務改革の考え方・進め方を分かりやすく解説いたしますが、その前に大まかな業務改革活動計画の一例を示しておきます。数百人規模の中堅企業で、中期経営計画の達成を目的に業務改革を行なう場合を想定したものです。企業によって目的・内容は異なりますので、一例であることを予めご承知おきください。

<業務改革活動計画>

1.目的

中期経営計画を確実に実行するために、社長、役員、及び経営管理部門の全従業員の現状業務を見直し、効率化するとともに、強化すべき業務を設定し、また、今後取り組みべき新規業務を設計し、現状業務の効率化によって生み出した人・時間を強化業務及び新規業務に再配置する。

2.基本的考え方

  1. 現状業務の価値分析を行い、価値のないムダな業務を廃止・削減する。
  2. 価値がある業務については、さらに各業務の目的と機能(役割)を明確にし、無用業務、過剰業務、低価値業務、重複業務などを発見して廃止・削減する。このために、経営戦略、事業領域、組織構造、人事制度、経営計画などと各業務の目的と機能との整合性を確認する。
  3. 現状業務の目的・機能を果たす方法を検討し、創意工夫することにより短時間で業務が遂行できるようにする。このために、各個人だけでなく、部門内で検討したり、部門間で課題ごとにチームを編成して検討する。なお、IT化する場合には、IT化課題を抽出する。
  4. 中期経営計画を確実に達成するために、中期経営計画に必要な業務の目的・機能を明確にし、現状の業務機能と比較検討することにより、不足機能を発見して、強化業務の設定、及び新規業務の設計を行なう。
  5. 人・時間の再配置は現状業務に対しては権限の委譲を行い、強化業務、及び新規業務に対しては適材を再配置する。

3.目標・アウトプット

  1. 現状業務時間の25%以上を削減する。
  2. IT化課題を抽出する。
  3. 中期経営計画を見直し、再設定する。
    (必要により、経営戦略、事業領域、組織、人事制度などを見直しする。)
  4. 短期経営計画を立案し、強化業務を設定し、新規業務を設計する。
  5. 現状業務時間の廃止・削減により生み出した人・時間を強化業務、及び新規業務へ再配置する。

4.対象業務

社長以下、経営管理部門で行なう全業務(デスクワーク)

5.推進体制および推進委員の役割

省略

6.プログラム概要

  1. 現状業務の効率化
    (1)現状業務の見える化と価値分析
    (2)現状業務の目的・機能の明確化
    (3)無用、過剰、低価値、重複業務などの廃止・削減
  2. 経営計画の立案
    (1)中期経営計画の目的・機能の明確化
    (2)中期経営計画の目的・機能体系図の作成
    (3)中期経営計画の修正、短期経営計画の立案
  3. 業務設計・人員の再配置
    (1)強化業務、新規業務の設計
    (2)業務移行計画、及び人員再配置計画の作成、及び実施
    (3)業務分掌規程の再設定、業務フローの再設計、新規業務マニュアルの作成

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