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0-2 管理間接部門(ホワイトカラー)の生産性が直接部門に比較して低い理由

ホワイトカラーの生産性が直接部門の生産性に比較して低いということは、昔から言われています。しかし、その根拠はあいまいです。昔から、多くの学者や研究者が、ホワイトカラーの生産性を測定するための研究をしていますが、未だに誰もが納得できる方法はないようです。しかし、誰が考えてもホワイトカラーの生産性は直接部門に比較すると低いと思われるのです。その理由を説明したいと思います。

企業で実際に付加価値(稼ぎ)を生み出しているのは直接部門です。このために、直接部門では血のにじむような努力を日々行っています。

では、管理間接部門(ホワイトカラー)は何をしているのでしょうか。下記の図をご覧ください。管理間接部門は直接部門のために働いているのです。直接部門が多くの付加価値(稼ぎ)を生み出せるように支援するのが管理間接部門の仕事です。つまり、管理間接部門のユーザーは直接部門です。

直接部門では顧客に対して商品を製造・販売したり、サービスを提供したりして付加価値(稼ぎ)を生み出します。直接部門では付加価値(稼ぎ)をできるだけ多くするために、売上を増やそうと努力します。また、営業利益を増やそうと努力します。この支援をするのが管理間接部門です。

日々の支援業務は、直接部門の作業の管理です。例えば、メーカーでは顧客が求める良い製品を安く速く顧客に届けるために、品質管理、原価管理、納期管理を行っています。これらの管理業務は管理間接部門の仕事です。

ところが、管理間接部門では支援業務の管理は行っておりません。つまり、管理間接部門では自部門の業務の品質、原価、納期の管理は行っていないのです。これは重大な問題です。成り行き任せですから。ではなぜ、管理間接部門では自部門の業務の管理を行っていないのでしょうか。その理由は管理しなくてもあまり問題にならないからです。

例えば、直接部門では不良品を顧客に売ってしまえば、大変な問題になります。顧客はその会社の製品を買わなくなり、売上がガタ落ちになり、場合によっては倒産する危険すらあります。ですから、品質管理が必要なのです。ところが、管理間接部門が品質管理をきちんと行わなくてもあまり問題にはなりません。管理間接部門は会社から甘やかされているからです。また、ユーザーである直接部門からも甘やかされているのです。本来なら管理間接部門から罰金(損賠賠償金)を取るべきです。なぜなら、管理間接部門が品質管理をきちんと行わなければ、それだけ会社の売上や利益が減り、付加価値が減ってしまうからです。

また、管理間接部門では製品コストを下げる努力を日々行っていますが、業務コストを下げる努力をほとんど行っていません。それどころか、業務コストがいくらなのかすら分からない状態です。例えば、製品を設計するのにいくらかかるのか、生産計画を立てるのにいくらかかるのか、などは分かりません。それどころか、経理や人事の仕事にいくらかかるのかすら分からない状態なのです。つまり、業務コストだけでなく、部門のコストすら分からないのです。なぜなら、通常、部門別原価計算では製造原価を計算するために製造補助部門である生産管理部門や技術部門の原価は計算しますが、製造原価に関係ない人事部門や経理部門の原価は計算しないからです。

業務の納期についても同様で、いつまでに業務を終わらせれば良いのか分かりません。直接部門から督促されてようやく行うのです。まして、いかに早く業務を終わらせるかという努力はほとんど行っていません。以上のように、管理間接部門では、業務の品質、コスト、納期の管理を行っていないのです。すべての業務が、成行き任せなのです。管理間接部門の生産性を測定する方法の1つは、業務の生産性を数値で表せば良いのです。

管理間接部門の業務には、直接部門の作業の日々の管理だけでなく、企業成長に関わる経営戦略の立案、経営計画の立案、商品開発、市場開拓、顧客管理などもあります。これらの業務はもちろん、企業の付加価値を長期的に高めるために行っているのです。ところが、これらの業務によって、どの程度、付加価値を高めているのかは分かりません。つまり、どの程度、生産性を高めているかは分からないのです。その理由は、測定していないからです。よって、毎年測定すれば良いのです。

ところで、直接部門では作業の改善を行う時には、何はさておき、各作業(工程)の付加価値分析から始めます。つまり、まず、各作業(工程)の付加価値があるか無いかの分析を行います。そのうえで、付加価値のないムダな作業(工程)については、できるだけ廃止・削減します。付加価値のある作業(工程)については、さらに詳細に、各作業(工程)を要素作業まで分解して、付加価値があるか無いかを調べます。そして、付加価値のないムダな要素作業があれば廃止・削減します。付加価値のある要素作業については、さらに動作のレベルまで詳細に分解して付加価値があるかないかを調べます。そして、少しでも動作にムダがあれば廃止・削減します。

ところが、管理間接部門の業務についてはどうでしょうか。各業務について付加価値分析を行っているでしょうか。私の30年以上の経営コンサルタントとしての経験でも、各業務の付加価値分析を行っている企業は1社もありませんでした。何度も書きますが、管理間接部門では生産性を高める努力を全く行っていないのです。管理間接部門の生産性が直接部門に比較して低いのは当然なのです。単に、業務をIT化したり、情報機器を活用したりして業務時間を短縮しているだけです。業務の付加価値分析を行い、付加価値を生まないムダな業務を廃止・削減する必要があるのです。しかも、直接作業の改善と同様に、業務を掘り下げて付加価値があるか無いかの調査・分析をしてムダな業務を廃止・削減するのです。そのうえで、付加価値のある業務だけをIT化や情報機器の活用を行って業務のスピードアップを図るべきなのです。

また、管理間接部門の生産性を高めるには、業務の付加価値分析を行うだけでなく、業務の品質管理、原価管理、納期管理などの管理をきちんと行う必要があるのです。そのためには、管理間接部門の甘えを無くすことです。なぜなら、業務の付加価値分析や業務の管理をきちんと行わないのは甘えが原因だからです。

甘えを無くす手っ取り早い方法は、管理間接部門を会社から切り離して独立させることです。自分の食いぶちは自分で稼ぎなさいと言うわけです。そして、管理間接部門を他社と競争させるのです。下記の図をご覧ください。

管理間接部門の独立

実際に、管理間接部門の業務を自社で行わずに、他社に委託している会社はたくさんあります。経理や人事の仕事の委託は昔から行われています。例えば、中小企業では経理の仕事を税理士に委託しています。また、多くの企業では従業員を派遣会社から派遣してもらって、その人事管理も派遣会社に委託しています。さらに、管理間接部門のない直接部門だけの会社も昔からあります。製造だけを行う会社や販売だけを行う会社があります。他社に管理してもらっているのです。

よって、管理間接部門のすべての業務を外部委託(アウトソーシング)すれば、自社では管理間接部門は必要なくなるわけです。もちろん、そのためには業務の品質管理、原価管理、納期管理だけでなく、経営戦略の立案、経営計画の立案、商品開発、市場開拓、顧客管理、秘密保持などについてもその能力や技術力をチェックできなければなりません。つまり、経営管理会社の能力をチェックして、どの経営管理会社に業務委託するかを決める必要があるのです。

本書では、管理間接部門の生産性を高める方法について具体的に解説いたします。これができるようになれば、他社の経営管理もできるようになります。

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