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第4章 VVEによるコスト削減・原価低減の考え方と技術

4-1 VVEとは何か

VVE(Valid Value Engineering)とはVE(Value Engineering:価値工学)を改善し、また、VEを基に開発したものです。かねてより、VEが複雑で理解し難いために習得に時間がかかり、その技術が充分に活用されずにいることを残念に思っておりました。長年、VEを活用してコンサルティングを行ってきた経験から、もっと簡単で分かりやすく、しかも効果的な方法はないかと考えました。VEを全く知らない人にでもすぐに理解できてすぐに活用でき、しかもVEより効果的な技術、それがVVEです。

「3-2 VEによるコスト削減・原価低減」で説明しましたように、VEはコスト削減、製品開発、業務効率化、業務改革などに活用されている改善・開発・改革技術です。当初はコスト削減技術として生まれたものですが、現在では価値向上技術として、いろいろな価値の向上に活用されております。また、いろいろな課題解決にも世界中で活用されております。しかし、残念ながらその技術が充分に活用されておりません。

そこで、VEを改善し、VEを基にVVEを開発しました。改善・開発技術VEを改善・開発したものですので、VVE(Valid VE)と名づけました。(Valid:正当な、効果的な)

VEをご存知の方の中には、「VEはもう古い」などと言われる方もおられます。VEには常識では理解できない点や技術が複雑で分かりにくい点、あるいは使われる用語が曖昧な点、などがあることから、「VEは古い」と言っているのだと思われます。しかし、VEには優れた考え方や技術があるので、劇的な効果を生むのです。重要なのはVEはあらゆる価値を高める技術だということです。このような技術は他にはありません。ですから、その優れた考え方や技術を活用すれば良いのです。

VEは価値経営の原点です。顧客から見た製品価値、製品から見た直接部門の作業価値(すなわち付加価値)、直接部門から見た管理間接部門の業務価値、株主から見た企業価値、いずれも価値経営の見方です。 これらの価値を高めるための原点がVE(価値工学)にあるのです。したがって、企業におけるあらゆる課題解決に役立つのです。なぜなら、VEはあらゆる対象に対してその目的と機能(役割、働き)を明確にし、すなわち、その本来の姿やあるべき姿を明確にし、その目的と役割を果たすにはどのような方法をとるべきかを決定する技術だからです。

例えば、

  1. その製品やサービスは何のために存在し、どのような役割を果たし、どのような方法で開発・設計すべきか(製品やサービスのコスト削減、製品やサービスの開発)。
  2. その作業や業務は何のために存在し、どのような役割を果たし、どのような方法で設計・実施すべきか(作業や業務の効率化、業務改革)。
  3. その制度や仕組み(システム)は何のために存在し、どのような役割を果たし、どのような方法で設計・運営すべきか(制度改革、システム改革)。
  4. その組織(部門やチーム)は何のために存在し、どのような役割を果たし、どのような方法で編成・運営すべきか(組織の活性化、組織構造の改革)。
  5. その人は何のために存在し、組織の中でどのような役割を果たし、どのような方法で働くべきか(働き方改革、組織風土の改革)。
  6. その企業は何のために存在し、どのような役割を果たし、どのような方法で経営すべきか(企業改革、経営改革)。

などの課題について、その答えを見出そうとすることは、まさにVEの技術を活用することになるからです。つまり、これらはすべてVEを活用することにより解決可能なのです。

以上のように、VEは非常に役に立つのですが、残念ながらその内容が分かりにくく混乱しております。常識では理解できない考え方もあります。よって、10年以上VEに取り組んでいるVEの専門家(CVS:認定国際VEスペシャリスト)でさえ充分に理解できず、改善・開発・改革活動の現場で混乱し、活動がスムーズに進まないことが多いのです。

その結果、活動の成果も充分に得られず、VEに対して不信感を抱く人も大勢いるのです。そのためか、IE(インダストリアル・エンジニアリング:管理工学)やQC(クオリティ・コントロール:品質管理)に比較するとあまり活用されておりません。特に中小企業ではVEはほとんど活用されておりません。

そこで、VEを簡潔に分かりやすくするとともに、VEの短所を排除し、あるいは改善し、VEの長所をいっそう強化発展させたのがVVEなのです。経営者・管理者の皆さんに、あるいは経営コンサルタントや技術コンサルタントの方々に、VVEを大いに活用していただき、企業の発展に役立てていただきたいと思います。


<VVE開発の背景>

なぜVEがあまり活用されていないのか、その理由を顧客企業で尋ねてみると、「VEを良く知らないから」「VEは難しいから」という答えが大半でした。さらに、どういう点が難しいのかを尋ねてみると、くしくもそれらは、それまで筆者が疑問に思っていたことと全く同じだったのです。

そこで、VEの専門家(CVS:認定国際VEスペシャリスト)数人にそれらの疑問点について尋ねてみたのですが、残念ながらどなたからも納得できる回答は得られませんでした。

そこで、VEについて原点から見直すことにしたのです。つまり、身のほど知らずにも、VEを改善しようと考えたのです。しかし、VEはそもそも改善・開発技術です。改善・開発技術を改善するにはどうすれば良いのか。

それは、少し考えてみてすぐに気づきました。VEにVEを適用すれば良いのです。なぜなら、VEはあらゆる対象に対して原点から見直し改善・開発する技術だからです。

そこで、VEの考え方、技術、進め方などについて、その目的は何か、その機能(役割や働き)は何か、その機能を果たすもっと良い方法はないか、とVEそのものにVEを適用していったのです。

そうすると、VEの基本的な考え方をはじめ、いろいろな考え方や技術、あるいは進め方が常識的に「おかしなもの」であることが分かったのです。そこで、VEの基本的な考え方を見直しすると同時に、VEを誰もが理解できる常識的な考え方や技術、あるいは進め方に改善・開発することにしたのです。

こうして出来たのがVVEです。したがって、VVEには特に目を見張るような考え方もなければ、目新しい技術も進め方もありません。すべて常識的な考え方や技術、あるいは進め方で成り立っているからです。よって、非常に分かりやすいものになったと思います。また、VEの優れた考え方をより発展させることによって、より効果的な技術にすることも出来ました。

その後、VE以外のいろいろな改善・開発技術もVVEを適用することにより改善・開発することができました。さらに、新しい改善・開発技術の開発もVVEによって出来ることが分かったのです。すなわち、VVEは改善・開発技術(コンサルティング技術)を生むマザー技術となったのです。

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