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1-4 人件費の安い海外で生産しても、ITを活用してもダメ~

労務費や人件費の安い地方や海外で生産することにより、コスト削減を図るのは昔から行われています。しかし、競合他社も同じことを行っているわけですから、結局、価格競争に陥ってしまうのです。価格競争に陥った場合、勝つのは規模の大きな企業と決まっています。なぜなら、「規模の経済」が働くからです。つまり、生産規模、すなわち生産量が多くなればなるほど、製品1個当たりの生産コストが下がるのです。 卸・小売業でも同様で、販売規模、すなわち販売量が多い企業ほど商品1個当たりの仕入コストや販売コストが下がります。

したがって、製造業だけでなく卸・小売業でも、企業が勝ち残るためには、どうしてもコスト削減技術や商品開発技術などの「ものづくり技術」が必要なのです。

そして、これらの技術を活用して、コスト削減や独自商品の開発を行うのです。つまり、標準品や汎用品ではなく、付加価値が高く、しかもコストが安い、要するに利益率の高い独自商品を開発し、製造・販売するのです。標準品や汎用品を扱っていては、いつまでたっても儲からず、他社との競争に勝てず、また、他社の下請けから脱出することはできません。

また、最近では情報システムさえ導入すれば企業の課題はなんでも解決できるかのような風潮があります。原価管理や仕入管理でも、販売管理でも、あるいは業務効率化や業務改革でも、◯◯システムや△△パッケージを導入すれば解決可能であるかのような広告がよく見られます。しかし、IT(情報技術)は情報の処理と伝達と記録の道具にすぎず、 企業における課題の解決にはいろいろな技術と思考を要するため、情報システムを導入しても解決できるものではありません。

要するに、課題解決に適した技術を活用しなければ、どのような情報システムを導入しても課題解決はできないのです。IT(情報技術)は情報を迅速に処理したり、情報を確実に伝達したり、膨大な情報を記録したりするのに役立つのです。どのような情報が必要なのか、情報をどのように処理するのか、どの情報を誰に伝達するのか、記録しておくべき情報は何か、情報をどのように活用するのか、などは人が決めるのです。コンピュータが決めるわけではありません。まして、コンピュータがコスト削減や商品開発などできるわけがありません。例えば、原価管理を行ったことがない企業が原価管理システムを導入しても原価管理はできないのです。コンピュータは道具にすぎないからです。

また、ITを活用してムダな情報を迅速に処理しても、ムダな情報を確実に伝達しても、ムダな情報を記録しても何もなりません。これらのことは多くの人が承知しているはずですが、どういうわけか、情報システムさえ導入すれば何でも解決できるかのような風潮は年々ひどくなるばかりです。このため、時代に後れてはならないと、むやみに◯◯システムや△△パッケージなどを導入し、ムダな投資をしてしまう企業が後を絶ちません。

さらに、いつの時代でもそうですが、新しい技術や手法が流行すると、自社にとって有効かどうかも吟味せず、我先にと導入し、ムダな投資やムダな努力をする企業があります。これは基礎的な技術を習得していないために、とってしまう行動ではないかと思われます。なぜなら、仕事でも、勉強でも、スポーツでも、趣味でも、何でもそうですが、基礎が習得できていないのに、新しい技術や方法を試してみたいと思うのは人の常だからです。

何ごとも基礎的な技術を習得し、確実に一歩、一歩、実行していくことこそが勝ち残る秘訣なのです。ちなみに、プロスポーツ選手は常に基礎練習を欠かしません。仕事でも同じなのです。しつこいようですが、コスト削減技術は企業にとって絶対に必要な基礎技術なのです。なぜなら、利益=売上-費用(コスト)ですから、企業に必要なあらゆる技術の中で、売上増大のための技術とコスト削減技術とが最も基礎となる技術であり、儲かる技術だからです。

コスト削減技術が習得できれば、商売のタネである商品・製品に関するあらゆることがより深く理解できるため、売上増大のための新商品・新製品の開発を始め、市場開拓や他のいろいろな技術が理解でき、しかもIT(情報技術)の活用方法も分かるのです。よって、ムダな投資をしなくなります。また、コスト削減技術は商品・製品の開発にも必要なのです。なぜなら、せっかく顧客が求める商品や製品を開発しても価格が高くては売れませんし、コストが高くては儲かりませんから。

また、コスト削減技術と製品開発技術とは紙一重であり、同じ「ものづくり技術」なのです。なぜなら、商品・製品のコスト削減ができれば、商品・製品の開発もできるからです。逆に、コスト削減ができなければ開発もできません。いつまでたっても下請から抜け出せない中小企業はこのことを知らないのです。

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