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本書のねらい

本書は、筆者がこれまで取り組んできたコスト削減に関する知識・経験やノウハウを整理し、分かりやすく書いたものです。筆者が最初にコスト削減に取り組んだときから今日まで、よく分からなかったり、できなかったりしたことがたくさんありました。そこで、それらを思い出しながら基礎から実務まで分かりやすく書いてみました。したがって、コスト削減の考え方や技術を理解しながら順に読み進めていけるものと思います。初心者は最初のページから順に、経験者は必要な個所だけを読んでください。

1.文科系出身者が、コスト削減ができるようになること。

本書のねらいの1つは、文科系出身者が、コスト削減ができるようになることです。と言うのも、30年以上の経営コンサルタントとしての経験から、コスト削減ができない企業の特徴は、文科系出身者を活用していないことが分かったからです。また、理科系あるいは技術系出身者のほとんどはコスト削減ができないことも分かったからです。その理由は、理科系あるいは技術系出身者は、

  1. 簿記・会計を習得しようとしないから。特に原価計算をしようとしないから。
  2. 言葉を大事にしないから。特に顧客や消費者の言葉を大事にしないから。
  3. 自分の考え方や保有する技術にこだわるから。それらを変えようとしないから。
  4. 専門外のことには興味がないから。よって、アイデア発想ができないから。

などです。原価計算をしなければコストが分からないですから、コスト削減ができるわけがありません。製品の改善や開発は顧客や消費者の言葉を基に行うものです。よって、顧客や消費者の言葉を大事にしなければ、コスト削減はできません。また、コスト削減だけでなく、改善や開発は1人で行うものではありません。いろいろな人と協力し、コミュニケーションを取りながら行うものです。よって、言葉が大事なのです。また、本来、コスト削減に限らず、改善や開発は自分の考え方や保有する技術を否定することから始めるものです。長年培ってきた考え方や技術を捨てることができない人は改善や開発はできません。さらに、アイデアは専門知識と専門外の知識との融合で生まれるものです。専門外のことに興味がない人はアイデア発想ができません。

その一方で、文科系出身者は最初から製品・商品の改善や開発ができないと決めつけています。しかしその理由は、単に、これまで行ったことがないからです。行ったことがないことに取り組むのは確かに難しいと思います。しかし、実は、文科系出身者の方が改善や開発に向いていることを筆者は知っています。なぜなら、文科系出身者は、理科系あるいは技術系出身者に有りがちな欠点を持っていないからです。よって、コスト削減だけでなく、改善や開発の技術を容易に習得できるのです。ちなみに、あの有名なアップル社のスティーブ・ジョブズ氏も画期的な製品を自分で開発したわけではありません。ジョブズ氏は機械設計もプログラム設計もできないそうです。製品企画のアイデアを出して、それを技術者に実施させたのです。つまり、アイデアを出しただけです。本書にはコスト削減の方法だけでなく、「顧客の言葉のとらえ方」も「誰でもできるアイデア発想法」も書いてあります。

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